東雲寺の境内北側に六角形の釈迦堂があります。このお堂の中におまつりされている仏さまが、七世紀後半、白鳳時代に作られたという「誕生仏」です。関東以北では最も古い仏像とのことです。
仏教の開祖・お釈迦さまは、お生まれになってすぐに七歩あゆまれ、天と大地とを指さして「天上天下 唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」とおっしゃられたと伝えられています。これは、この広い世界の中で、「私」はただ一人の存在であり、この命はかけがえなく尊いという、仏教の大切な教えのひとつです。このときのお姿を仏像にしたのが「誕生仏」です。