道元禅師の『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』「発菩提心(ほつぼだいしん)」の巻の中に、イジメや差別をなくすためとても大事だと思われる「自未得度先度他(じみとくどせんどた)」という教えがあります。
これは自分が〈さとり〉を得て救われる前に、まず他の人びとが救われるようにするという、菩薩(ぼさつ)の行(ぎょう)、坐禅修行者の行いを端的に示したものですが、『修証義(しゅしょうぎ)』第四章「発願利生(ほつがんりしょう)」にも取り入れられていますので、お経の本などでご覧になって、すでにご存じの方もおられると思います。
『正法眼蔵』「発菩提心」の巻からいくつか引用し、「自未得度先度他」の教えを改めて学んでみましょう。